刺す鍼から、刺さない鍼へ──私が「てい鍼」にたどり着くまで

「鍼は身体に良いと聞くけど、刺されるのはちょっと怖い」

鍼に対して、そんなイメージをお持ちの方は多いと思います。

もともとの中国の太い鍼(当然、刺激は強い)とは違い、
日本で一般的な鍼は髪の毛ほどの細さで、刺すときの痛みはほとんどありません。

でも受けたことのない方は、
「刺す」というだけで怖いイメージが先行してしまいますよね。

そこで当院では、もっと安心して受けていただけるように、
刺さない鍼「てい鍼」を使用しています。

今日は、私がなぜ刺す鍼ではなく「てい鍼」を選んだのか。その道のりをお話しします。

刺す鍼から刺さない鍼へ──私がてい鍼にたどり着くまで

私が鍼師・灸師・按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得したのは、1999年のことです。

そこから川崎の鍼灸院で、約5年間の修行を積みました。
修行中は保険取扱の往診で、難病で寝たきりの方に接する機会が多くありました。

「この方に、もっとお役に立てる方法はないか」
「もっと元気になっていただく方法はないか」

そう模索するなかで、積聚(しゃくじゅ)と呼ばれる鍼の手法の勉強会に1年間参加し、
その後キネシオロジー(筋肉反射テスト)も学び始めました。

2003年、川崎で独立開業。
開業した当初は、一般的な刺す鍼で施術をしていました。

ただ、施術を重ね、
調子が良くなった患者様から「友人にも紹介したんだけど鍼が怖いらしくって」といった話を聞くうちに、
「刺されるのが怖い」という方にも、
安心して鍼の恩恵を受けていただきたいと思うようになっていきました。

実は鍼はとても細いので、本来それほど痛いものではありません。

ただ「痛そう」という恐怖があると、身体が過敏になり、
ちょっとした刺激でも痛みとして感じやすくなってしまいます。

痛くない鍼、安心して受けられる鍼施術を求める試行錯誤のなかで、
積聚会の「銀鍼」を使っていた時期もあります。

一般的な鍼の材質はステンレスですが、
素材を銀に変えると刺され心地が優しくなります。

患者様に満足していただくための試行錯誤のひとつでした。

そしてさらに、「鍼は刺さなくてもいい」とする会独自の刺さない鍼「SJてい鍼」を、
小さいお子さんの施術のために取り入れることにしました。

(てい鍼は、こちらの記事「刺さなくても良い鍼――えんどう治療院の「てい鍼」ついて」でも紹介しています。)

とはいえ、当時の私には、まだ迷いもありました。
刺さない鍼で、どこまで身体を整えられているのだろうか。

その迷いに答えをくれたのが、修行時代から学んでいたキネシオロジーです。

2007年、葉山への移転とキネシオロジーのインストラクター資格の取得を機に、
キネシオロジーと、てい鍼を本格的に施術へ取り入れました。

すると、施術の前後で身体の状態がどう変わったかを、
私の主観だけに頼らず、客観的にも確認できるようになりました。
患者様にもより一層満足していただけるようになりました。

「てい鍼で大丈夫だ」

このとき得た確信と自信が、今の施術の土台になっています。

以来、一般的な鍼との併用期間も含めて20年以上、
てい鍼を用いた鍼施術を続けて現在に至ります。

振り返ってみると、いきなり刺さない鍼に飛びついたわけではありません。

刺す鍼の修行と経験を積んだ上で、鍼を変え、手法を変え、
「優しい鍼」を20年かけて探求してきた結果が、てい鍼です。

今も施術のたびに筋肉反射テストを使いながら、その日の身体の状態を確かめ、必要な施術を組み立てています。

てい鍼は優しくツボを押さえたりさすったりするだけなので、鍼が苦手な方、刺激に敏感な方も安心です。
赤ちゃんから妊婦さん、年配の方まで、どなたでも受けていただけます。

「鍼に興味はあるけれど、刺されるのは怖い方」も安心できる鍼施術です。

「もっと早く来れば良かった」と言われるたびに、この仕事をしていて良かったとつくづく感じます。
完全個別対応で、お一人お一人にしっかり時間をとって丁寧に施術いたします。
どうぞ安心してお越しください。